MONOKOのこだわり
2019.11.28
お子さまの成長過程において重要な「手の動きを育てる」道具として、2006年に発売された「つなぎセット」。発売以来その制作に携わるサンフェルト株式会社さんに誕生秘話とモノづくりのこだわりについてお話をうかがいました。
今回お話をうかがったのは、サンフェルト株式会社の荒川正明さんと津島裕隆さん。サンフェルトさんはフェルト手芸キットやインテリアグッズなどを製造・販売する日本でNO.1のフェルトメーカーです。
-まずはじめに、「つなぎセット」の誕生までの経緯を教えていただけますか?
サンフェルトさん(以下、S):「つなぎセット」はアイ・シー・イー幼児教室の保育現場の先生が手作りしていた教材でした。依頼をいただいたときには「カメ」「いぬ」「さかな」のデザイン、糸やボタンの色、スナップやボタンのサイズなど詳細は決まっていましたので、私たちは指示書をもとに商品化をはじめました。
-指示書のなかで「現場の教師の声」が強く反映されていると感じたのはどの部分ですか?
S:「さかな」の力(ちから)ボタンですね。「さかな」は2枚のフェルトを縫い合わせて作っています。通常ですとボタンを留めるフェルトの裏側に8㎜~10㎜程度の大きさのフェルトを一緒に縫い込んで補強する力布(ちからぬの)を使うのですが「裏側はボタンで補強してください」と指示がありました。子どもは力が弱いので力ボタンの方が引っ張りやすくなるんです。
-指示書のほかに、サンフェルトさんが工夫をしてくださった点があるとうかがっています。
S:はい。何度も繰り返しボタンを入れたりはずしたりしますから、ボタンホールには強度が必要です。まずボタンホールの枠の部分に刺しゅうをした後で、穴の部分をカットします。穴をカットしてから穴のフチに刺しゅうをするより強度が上がり、何度引っ張っても穴の開きが大きくならないようになります。
-細かな工夫をしているんですね。
-使用している素材の安全性について教えてください。
S:「つなぎセット」に使用しているフェルトは可燃性検査(燃えやすい素材が使われていないか)、化学的特性の検査(有害な物質が含まれていないか)などの玩具安全基準(ST基準)をクリアした製品のみを使用しています。フェルトの製造から刺しゅうまで、「メイド イン ジャパン」で徹底した品質管理を行っています。
-市販の低価格のフェルトはプラスチックやウールが多いようです。子どもに与えることを考えるとプラスチックやウールは避けた方が良いですか?
S:プラスチックは燃えやすいですし、ウールは色落ちすることもあるので、何でも口に入れてしまう年齢のお子さんに渡す場合は注意が必要です。
-「つなぎセット」に使っているフェルトは、とても手触りが良いですね。形も均一ですし…。
S: 国産の最高級品質のポリエステルを使用しているので、平面がとても滑らかなんです。
品質の高いポリエステルだから、型で抜いた時、形がきれいに抜けます。他のポリエステル製品だと型で抜いた時、繊維が切れて「ひげ」と呼ばれる糸を引いてしまいますが、その「ひげ」を出すことなく、きれいにパコンとはずれるんです。
-「つなぎセット」はデザインのかわいらしさも好評です。「いぬ」の表情、「かめ」の甲羅を手刺しゅうで再現するのは難しそうですね。
S:細い機械刺しゅう用の糸で強度を考慮した刺しゅうを施しています。お子さまが手に取りたくなるようなかわいい表情は、機械刺しゅうだからこそできるんですよ。
S:実は、この刺しゅうの糸も安全基準があるんです。
-えっ? 糸もですか?!
S:「つなぎセット」には、ベビー商品の安全基準を満たした糸を使っています。
-ベビー商品の安全基準について詳しく教えてください。
S:ノンホルマリンであること。空気中にもホルマリンは含まれているのでゼロというわけにはいきませんが、製造の段階ではホルマリンの含有量0.05以下、堅牢度3級以上という規定があり、「つなぎセット」で使用している糸はその基準をクリアしています。
-最後にサンフェルトさんの「モノづくり」のこだわりを教えてください!
S:すべてにおいて手間を惜しまないことでしょうか? 「つなぎセット」も発売当初のご担当者と一緒に何度も試作を重ねながら、お子さまにとって安全で手に取っていただきたくなる商品づくりをしてきました。国内に工場を持っていることで品質管理は徹底していますし、製造過程もそのほとんどが手作業でおこなっています。今後もその姿勢は変えず、高品質な製品づくりをしていきたいと思っています。
「つなぎセット」は、数年使っても伸びたりせず強度はそのまま。毛玉などもつきにくく、質感も変わりません。サンフェルトさんのモノづくりのこだわりが、ロングヒットへとつながっています。MONOKOでは「つなぎセット」が、今後もたくさんの子どもたちに愛され続ける商品になることを願っています。
年齢別
MONOKOのこだわり
MONOKOの教材を採用いただいている、インターナショナルスクール "Tokyo International Kindercare" 田園調布校を訪問し、どのように活用されているかお話をうかがいました。
MONOKOのこだわり
「きちんと切れる本物の子ども用の包丁が欲しい」と「台所育児」を提唱した故・坂本廣子さんと「台所育児シリーズ」を共同開発したキッチンツールの老舗メーカー、株式会社サンクラフトさんにお話をうかがいました。
MONOKOのこだわり
MONOKO一番の人気商品でもある「のりはり色紙」がどのようにつくられているのか、有限会社篠原紙工さんにお話をうかがいました。