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MONOKO ストーリー

MONOKOのこだわり

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お子さまが大好きな「のりはり」をご家庭でも。MONOKO「のりはり色紙」ができるまで。

お子さまが大好きな「のりはり」をご家庭でも。MONOKO「のりはり色紙」ができるまで。

2021.4.26

お子さまの大好きなのりを使うお仕事といえば「のりはり」。

色紙を選びのりをつけ、台紙の枠にぴったりあわせて貼るお仕事は、非常に繊細な指先のコントロールとその工程の理解をスムーズに行う必要があります。

MONOKO一番の人気商品でもある「のりはり色紙」がどのようにつくられているのか、有限会社篠原紙工さんにお話をうかがいました。

 

「いくつかのメーカーの色紙を試したけれど…」教師からの依頼

MONOKO商品開発の担当者には、教育・保育現場の教師からいつも「こんなものがあったらいいな」という依頼が寄せられます。お子さまに人気のあるお仕事を安定して提供できるようにしたい、という要望が多いのですが、商品にするにはいろいろな課題があります。最も商品化の壁になるのが「いろいろな色、いろいろな形」という多品種小ロットの依頼です。そんな中で現場の優先度が最も高かったのが「のりはり色紙」でした。

 
 

オリジナルの製造にこだわった理由

モンテッソーリ教育のお仕事では好きな色、好きな形を選ぶのはお子さまです。すると市販の大量パックでは人気のある色や形からなくなっていき、地味な色は残りがちでした。さらに、のりをつけるとふやけてしまうものや色が落ちてしまうもの、破けてしまうものも多いため、子どもたちが本来のお仕事に集中できないといった課題もありました。

今回お話をうかがったのは、MONOKOの「のりはり色紙」を作っていただいている有限会社篠原紙工の小原一哉さん。篠原紙工さんは印刷を本業とされていますがとてもユニークな経営方針のメーカーです。

 
 
-まずはじめに、「篠原紙工」さんのお仕事の内容を教えてください。

 
小原:写真集やカタログ、パンフレットなどの製本や、紙の加工と印刷にかかわるもののデザインから制作が主です。過去には紙のジュエリーといった新商品の企画開発もしました。紙を媒体としていろいろなものを作っています。

 
 
-依頼されたのりはり色紙は印刷の工程がありませんが?

 
小原:印刷が無くても、紙加工のプロとしてお客様のニーズに可能な限りお応えします。

 
 
-型抜きという工程について詳しく教えていただけますか?

 
小原:印刷では紙を切ることを「断裁」といいますが、切り落とすのではなく専用の型を使って抜くことを「型抜き」といいます。ちょうどクッキーの型抜きをイメージしてもらうとわかりやすいですね。型抜きにもいろいろな方法があるのですが、のりはり色紙は「ブッシュ抜き」という方法になります。他の抜き加工が1枚ずつしか抜く事が出来ないのに対してブッシュ抜きは鋼の丈夫な型を使用してまとめた枚数で抜く事が出来ます。
日常生活でも気を付けているとさまざまなところに型抜きの技術を使ったものがありますよ。丸いトランプとか、雑誌の付録の切り取り線とか、パズルなどもそうですね。

 

 
 
-「のりはり色紙」は形ごとに購入できるのが最大のポイントですね。ひとつずつパッケージするのは大変そうですが、商品化にあたり一番大変だった工程はどこですか?

 
小原:型抜きは専門分野なので大変ということはないのですが、抜かれた色紙がとても小さいので、実は個包装の袋詰め工程が一番大変でした。とても神経をつかう作業ですし、なにしろ小さく薄いので少しの風でも飛んでしまうこともあり、気づくとみんな呼吸を止めて作業していたりしました(笑)。実は機械化できない部分が一番大変です。

 

使用する用紙へのこだわり

 
 
-この商品を作るにあたって、使用する色紙はMONOKOの担当者が手配をされているということですがそれはなぜですか。

 
(MONOKO開発担当:以下M):のりはり色紙の開発時にいろいろな紙を試し、最終的に学校の図工の時間に色の濃淡や彩度を学ぶ際に使われている特別な色紙を選びました。どの色を組み合わせてもきれいに仕上がるように色選びは特にこだわりましたが、それ以上に大切にしたのが扱いやすさです。のりはり色紙はとても小さな紙片なので、のりを付けたときにどうしても丸まりやすくなってしまいます。特に年齢の小さいお子さまがのりをつけたり色紙を台紙に貼ったりするときに丸まってしまうと、「貼る」というお仕事自体がうまくいかなくなって途中でなげだしたり苦手意識を持ってしまったりしてはいけないという思いがありました。

 
 
-この紙だと丸まらないのですか?

 
M:のりをつけた直後は少し丸まりますが、驚くことにしばらくすると紙がまっすぐに戻ろうとするのです。だから筆でのりを付けた後、台紙に貼るまでの間に紙が戻って台紙の「的」に貼りやすくなります。

 

-そのほかに工夫されたことはありますか?

 
 
M:色紙ではありませんが、色紙保管用のケースや柄の短いのりはり専用の筆もオリジナルでご用意することになりました。保管ケースはお子さまのちいさな指でも取り出しやすいよう桟(さん)を低くしたり、隙間に紙がはさまったりしないようにするなど工夫しています。筆はお手入れしやすいナイロンを選びました。最初は指でのりをつけて、のりの感触(冷たい・ぺたぺたするなど)も経験してもらいたいと思っています。のりはりの手順が十分に身についたら、親指・人差し指・中指の3本を使って筆に移行します。いずれ使う鉛筆の練習になります。

 
 
-最後に篠原紙工さんの「モノづくり」のこだわりを教えてください!

 
小原:篠原紙工では「本質を探ること」「お客様とチームになって働くこと」「やってみよう」という3つのことを大切にしています。
「本質」とは、なぜこのような形にしたいのか、なんのために作るのかです。自ら問い続け、お客様の想いを形にするためのプロセスを大切にしています。
「お客さまとチームとなって働く」とは制作物に携わる人の想いを共有することです。互いに最善を尽くして形にしていくことを大切にしています。
最後に「やってみよう」。新しいことへの挑戦は予期せぬトラブルやリスクが付きまとうものですが、それもモノを生み出す工程のひとつと捉え、お客様とともに乗り越えて、新しい発見をしていきたいと考えています。大変な山を越える過程をクライアントとスタッフとサポーターと全員で共に乗り越え、喜び合えるような仕事を目指しています。

のりはり色紙は2016年の製造から4年を経て2021年、念願の再生産の運びとなりました。「のりはり色紙といえばMONOKO」と言われるような商品へと成長することを願っています。

 
●この方にお話しをうかがいました
有限会社 篠原紙工
小原一哉さん

有限会社篠原紙工 ウェブサイト
https://www.s-shiko.co.jp/ /

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