お子さまが保育園や幼稚園に通うときに、お弁当作りがスタートするおうちのかたもいらっしゃるかもしれません。1歳半から3歳くらいの子どもが自分でお弁当を食べるためには、どんなお弁当が理想的なのでしょうか。毎日子ども達のお弁当を見ているモンテッソーリ教師に取材しました。
初めてのお弁当は、子どもの好きなものを中心に残さず食べられるもので作ってあげてください。新しい環境や自分で食べるお弁当に慣れてから、いろいろな食材を増やしましょう。いままで食べられなかった食材でも、形や調理方法が変わると食べられることもあります。また彩りは綺麗なほうが食欲がわきます。食材の色だけでは難しいときは、カラフルなシリコンカップやバランなど小物も活用してみてください。なるべく懲り過ぎないほうが、食べることに集中できます。
食べる量が少ない子どものお弁当は、指が入るくらいのすき間があっても大丈夫です。全部食べられることを目標に作りましょう。途中で遊ばずに食べられる量やお弁当が冷めた状態を確認するために、入園前におうちでお弁当を食べてみるのがおすすめです。実際にお弁当袋に入れて、最初から最後までなるべく手を貸さないで見ていると、いろいろ気づくことがあります。保育園や幼稚園では、みんなでそろって食べるお弁当ですから、お支度から食べ終わるまで30分くらいでできる量が理想です。
まだフォークやスプーンが上手に使えない年齢の場合、形状は「ボール型」「スティック型」にすると食べやすくなります。大きさは「ひとくちで食べられる大きさ」にすると、フォークから残りが落ちてしまうことが減ります。おにぎりをのりで巻いたり、パンでおかずをロールしたりすると、登園の時に動かしても崩れにくくなります。なまものや水分が出るものは、お弁当が痛みやすくなるのでできるだけ避けましょう。
お弁当箱は、軽くて、色移りしにくく匂いも残りにくいアルミニウム製が衛生的な観点からおすすめです。また小さな手でも開け閉めできるよう、ロック式ではないふたが理想的です。
保育園や幼稚園では、大勢の子どものお弁当を短時間で一度に配膳しますので、取り違えを防ぐために、名前はふたと身のひとめでわかる場所につけましょう。ベルトやカトラリーなども間違いを防ぐために、名前が消えていないか定期的に確認します。お弁当に限らず、持ち物すべてにおなじ刺繍やアップリケをつけてあげると、子ども自身で自分のものが分かりやすくなります。
子育ての悩み
子どもがスプーンやおもちゃを手当たり次第に床に落としたり、放り投げたりすることがあります。大人は「いたずらばかりで困る」と思うかもしれませんが、これはいたずらではなく、子どもの手や指の発達を助け、動きを獲得するために必要なことなのです。
子どもの力を伸ばす
子どもをどう叱るか、というのは難しい問題です。「叱る」には、よりよい方向に導くという意味がありますが、親の都合で感情的に子どもを「叱る」のではなく単に「怒って」しまい、後悔した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、子どもの叱り方について一緒に考えてみましょう。
子どもの力を伸ばす
子どもが2歳くらいになると、まだ自分でできないことでも「自分で!」「する!」と主張し始めます。これは、自分のことが自分できる=自立への大切な第一歩です。大人はできるだけ手を出さずに見守り、困っているときだけ手伝うというスタンスで、子どもの気持ちに寄り添えるといいですね。