子どもをどう叱るか、というのは難しい問題です。「叱る」には、よりよい方向に導くという意味がありますが、親の都合で感情的に子どもを「叱る」のではなく単に「怒って」しまい、後悔した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、子どもの叱り方について一緒に考えてみましょう。
たとえば、人通りの多い歩道やスーパーの中など、公共の場所で子どもが走り回ったとき、どうしますか? 周囲にも迷惑がかかるし、大人としては「危ないでしょう!」「走ってはダメ!」といいたくなります。
でも、子どもは、危ないことをしようと思って走っているわけではありません。
大人を困らせようとしているわけでもないのです。
歩行が安定してきて、走ることができるようになった時期の子どもは、とにかく走ることに夢中で、楽しくて仕方ない。ただただ走りたいのです。これをモンテッソーリ教育では「運動の敏感期」と呼んでいます。
「ダメ!」と大声で怒ったり、無理やりやめさせたりする前に、まずは「走りたいのかな?」「走るのは楽しいよね」と子どもの気持ちを受け止めましょう。それから「ここでは人にぶつかると危ないからね」「ここは走る場所ではないから歩こうね」と、走ってはいけない理由をきちんと伝えます。
大切なことを伝えるときは、きちんと子どもの目を見て、真剣な声や表情で話しましょう。丁寧に、くり返し伝えていけば、1~2歳の子どもでも理解します。
子どもの「走りたい」という気持ちを受け止めてもらうことで、子どもは「お母さんは自分の気持ちをわかってくれた」と安心します。自分の気持ちが尊重されていると感じられれば、走ってはいけないことも穏やかに受け入れられるようになります。
子どもを公園や広場など安全に走ることができる場所に連れて行って、気が済むまで走らせてあげるのもいいでしょう。これをくり返すことで、子どもは走ってもいい場所、いけない場所の区別がつくようになります。
大人も「叱らなきゃ」と考えると肩に力が入り過ぎたり、つい感情的に怒ってしまいがちです。子どもが安全に、楽しく日常生活を送るために、必要なことを「伝えよう」と考えれば、ポジティブに子どもと向き合うことができるようになるのではないでしょうか。
子育ての悩み
子どもがスプーンやおもちゃを手当たり次第に床に落としたり、放り投げたりすることがあります。大人は「いたずらばかりで困る」と思うかもしれませんが、これはいたずらではなく、子どもの手や指の発達を助け、動きを獲得するために必要なことなのです。
子どもの力を伸ばす
子どもをどう叱るか、というのは難しい問題です。「叱る」には、よりよい方向に導くという意味がありますが、親の都合で感情的に子どもを「叱る」のではなく単に「怒って」しまい、後悔した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、子どもの叱り方について一緒に考えてみましょう。
子どもの力を伸ばす
子どもが2歳くらいになると、まだ自分でできないことでも「自分で!」「する!」と主張し始めます。これは、自分のことが自分できる=自立への大切な第一歩です。大人はできるだけ手を出さずに見守り、困っているときだけ手伝うというスタンスで、子どもの気持ちに寄り添えるといいですね。