子育ての悩み
2018.11.4
突然大泣きしたり、さっきまで機嫌よく遊んでいたのに、急に不機嫌になったり。2歳くらいの子どもによくある現象で、大人には泣いたり不機嫌になったりする理由がわからず、「イヤイヤ期」「魔の2歳児」などといわれています。実際はどうなのでしょうか?
2~3歳は、今までは本能が理性に勝っていたのが、少しずつ理性が占める割合が増えてくる時期です。このころの子どもは、モンテッソーリ教育では「秩序の敏感期」ともいわれて、大人が気づかない、どうでもいいと感じるようなことに、強いこだわりが現れます。
モンテッソーリ園で実際にあった例です。
いつもはあまり泣かない2歳の女の子が、突然ものすごい勢いで泣き出し、廊下から教室に絶対に入ろうとしないことがありました。
教師がその子からいろいろ話を聞いて、思い当たったのは、別れ際にお母さんに言われた「ご本を読んで待っていてね」という言葉でした。
絵本は廊下にも教室にもあるのですが、この子は廊下でお母さんに言われたから、廊下で待っていなくては、と思ったのです。お母さんと約束したから、廊下で絵本を読んで待っていたかったのに、教室に入るように言われて、泣いてしまったのでしょう。
その他にも
家に帰るときのルートがいつもと違った
お母さんの髪型の変化やメガネの有無など、見た目がいつもと違った
いつも自分が座っている場所にお友達が座った
お母さんのマグカップをお父さんが使った
などが、大泣きの理由だったりします。大人にとっては何でもないことなので、突然泣き出したり、わがままを言っているように思えますが、子どもには理由があるのです。
秩序の敏感期の子どもは、今まで見たもの、聞いたもの、経験した情報をひとつひとつ自分のものにして、自分の中に「羅針盤」のようなものを作ろうとしています。そのときに場所、順序、時間、所有など、環境がいつもと違うと、混乱して、不安になるのです。
「イヤイヤがまた始まった」と思ったら、その子が今、何にこだわっているのか、じっくり観察したり、話を聞いたりして探してみるようにすると、大人もイライラせず、冷静でいられます。毎日できるだけ同じように過ごす、物は同じ場所に置くなど、子どもの秩序感を尊重することで、落ち着いて過ごすことが増えるでしょう。
アイ・シー・イーでは、「モンテッソーリ教育」がどのような考え方のもとに行われ、どのような効果があるのかをお伝えする、保護者さま向けセミナーを定期的に行っています。ぜひご参考になさってください。
秩序の敏感期とは別に、子どもが自分と他者が違うことを意識し始めて、それを表現する過程で何にでも「イヤ」ということもあります。本当はイヤではないけれど、大人の反応を見てみたいだけの場合もあります。
そんなときは、選択肢を用意して、子どもに選ばせてみましょう。
すべり台から降りたくない!と泣く子どもには
「自分で降りる?ママが抱っこする?」
着替えをいやがる子どもには、
「赤い色の服と、黄色の服、どっちを着てみたい?」
制限のある選択ではありますが、自分で選んだことで、意外とすんなり言うことを聞くことがあります。
余談ですが、選択肢を用意して選ばせるという方法は、子どもだけでなく、パートナーにも有効です。家事の分担で「食器ぐらい洗ってよ」というと、命令されたように感じて不機嫌になる相手でも「食器洗いとお風呂掃除とどちらがいい?」と聞くと、すんなりどちらかを選んでくれたりします。ぜひお試しください。
年齢別
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