環境づくり
2019.2.12
「部屋の壁や家具が子どものはったシールだらけで困る!」とお悩みの方へ。子どもがシールをはりたがるのには理由があります。「シールはり」を通じて、どんな力が伸びるのかがわかると子育てが楽しくなるかもしれません。
子どもが1歳を過ぎて、歩き始めるようになると、急激に世界が広がり、いろいろなことに興味を持つようになります。子どもを観察していて、何かにはってあるラベルやシール、壁紙などのちょっとした浮きやめくれを目ざとく見つけて、興味津々で触ったり、はがそうとするようなら、「シールはり」に誘ってみるのもいいでしょう。
シールを剥離紙からめくる感触や、ペタペタ指先にくっつく粘着感は、子どもにとってはたまらなく楽しく、わくわくするものなのです。先日、ICEモンテッソーリこどものいえでも、1歳1カ月の子どもが集中してシールはりに取り組んでいました。
モンテッソーリ教育には「運動の敏感期」という考え方があります。1~2歳ごろの子どもは指先や手を動かしたい、思い通りに使えるようになりたい、という欲求が強くなります。
「シールはり」には、細やかな指先の動きが必要になります。シールを指先でつまんで、剥離紙からはがす、狙ったところ(台紙の枠)にシールをはる、剥離紙を片付ける、という一連の動きをくり返すことで、「指先の調整力」が洗練されていきます。
モンテッソーリ教育の「シールはり」では、色のついた丸い形のシールを使います。子どもが指先の動きに集中できるよう、シールはシンプルなものを用いています。丸の大小の区別や色、場所を覚える「記憶の練習」にもなります。
最初は、大人がシールを1枚台紙にはって、剥離紙を片付けるところまで、目の前でやって見せます。シールを剥離紙からはがすのは難しいので、大人が端を少し浮かせて、はがしやすいようにしてあげてもいいでしょう。
シールは1片ずつに切り分けて渡すことが大切です。まとめて渡してしまうと、上手くはがせずに手に付いたり、シール同士がくっついてしまったりして、子どもがはがす作業に集中できなくなります。
始めたばかりのときは、台紙の枠の中に上手にはれなくても、紙の中におさまっていたら大丈夫。「はりたい」という意欲が大切なので、はみ出したり、曲がったりしていても、大人が手を出して訂正しないようにしましょう。「自分ではれた」いう達成感を大切にしてあげましょう。
2歳を過ぎるころになると、指先の調整力がついてくるので、台紙の枠に合わせてぴったりはれるようになります。シールはり台紙の絵柄も複雑になり、シールの数や種類も増えていきます。子どもが1人でできるようになったら、好きな絵柄を選んだり、完成したものを見ながら自分ではる練習をします。
子どもがシールを家具や壁にはってしまって困るときは、「ここにはろうね」「紙にはろうね」と繰り返し伝えていきましょう。「この絵とこの絵、どちらにはる?」と台紙を選ばせてあげるのもおすすめです。
年齢別
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