環境づくり
2018.11.4
「子どもの環境」と聞くと、自然が豊かな環境、季節を感じられる環境などを思い浮かべる人も多いでしょう。もちろんそれもとても重要ですが、モンテッソーリ教育では、子どもを取り巻くあらゆるものを「環境」と考えています。では、整えられた環境とは、どのようなものなのでしょうか。
モンテッソーリ教育では、外的環境に加えて、子どもが過ごす部屋や家具、子どもが使う道具やおもちゃ、親や教師など子どもと関わる人たちまで、子どもを取り巻くすべてを「環境」と捉えます。子どもたちが安心して自由に活動できるように、環境を整えることをとても重要視しています。
ICEモンテッソーリこどものいえでは、子どもたちが自由に動けるようにゆとりのあるスペースが確保され、子どもの背丈に合った椅子やテーブルを用意しています。教具の並んでいる棚も、子どもたちが自由に出して、片付けられるように、いつも整理整頓してあります。
では、家庭ではどんなことからできるのでしょうか。
まず、子どもが好きなだけ自由にハイハイしたり、歩き回ったりできるように、床のスペースをできるだけ広く確保しましょう。キッチンに入れないようにガードをつけている家庭も多いのですが、子どもは大人が料理をしたり、洗い物をする姿を見ることで、日常生活を学びます。安全を確保したうえで、キッチンにも自由に出入りできるといいですね。
私たちが普段過ごしている環境は、ほとんどが大人向けにできています。子どもが「これをやってみたい」と興味を持っても、子どもには大きすぎる、重すぎる、手が届かないなど、自分ひとりでは扱えないものばかりです。子どもが日常的に使う道具は、できるだけ子どもサイズで扱いやすいものを大人が吟味して、用意してあげましょう。
たとえば、はさみ。
ここで大切なのは、手を切ることを心配して切れないものを与えるのではなく、道具としてきちんとしたものであることです。サイズやグリップは子どもの手に合ったものを選び、「切る」という作業がしっかりできることがポイントです。
食器なども同じで、落としても割れないプラスチック製ではなく、大人と同じ素材を選ぶことをおすすめします。本物は子どもの目にも魅力的です。本物を与えられることで、物を丁寧に大切に扱うことを学ぶのです。
子どもの環境づくりといっても、特殊なことをするわけではありません。子どもにとって使いやすく、きちんとした道具を選ぶことも、環境づくりのひとつなのです。
年齢別
環境づくり
新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として「手洗い」が推奨されています。ところが「子どもが手洗いを嫌がる」「何度言っても自分からやらない」という悩みもよく耳にします。子どもに手洗いの習慣をつけるには、どうすればいいのでしょうか?
環境づくり
子どもが2~3歳になると、些細なことで、急に怒り出したり、泣き出したりすることがあります。いつもとちがう靴を履かせようとした、お母さんのマグカップをお父さんが使った、幼稚園の帰りにいつもとちがう道を通ったなど、この時期の子どもにとって「いつもと同じ」は、とても重要な意味があるのです。
環境づくり
2~3歳ごろになると、「はさみ」に興味を持ち始める子どもが増えてきます。危ないからと遠ざけてしまわず、子どもの手のサイズに合ったはさみと専用の用紙を用意して「切りたい!」という子どもの意欲に応えましょう。