子どもがスプーンやおもちゃを手当たり次第に床に落としたり、放り投げたりすることがあります。大人は「いたずらばかりで困る」と思うかもしれませんが、これはいたずらではなく、子どもの手や指の発達を助け、動きを獲得するために必要なことなのです。
1歳から3歳くらいまでの未就園の子どもは、物を落としたり、投げたりすることが大好きです。大人は「なぜこんな乱暴なことを何度もやるのだろう」と思うかもしれません。
でも、この時期の子どもには、大人を困らせようとか、いたずらしたいという意識はありません。自分の手を使っていろいろなことを探求したり、確かめたりしているのです。
たとえば、落とすという動作。
スプーンを握っていた指を開くと、スプーンが床に落ちます。自分が手を動かすことで物が落ちるという現象が面白くて、何度でも落とします。
投げるという動作はさらに高度です。
指先で物を握った状態で腕を後ろから前に振り、前に来たときに指を開いて初めて、物が前に飛ぶのです。
子どもは、落としたり、投げたりする手の動きや、それによって起こる現象に興味津々で、手の動きを獲得しようとしています。とにかく面白くて仕方なくて、何度でもその動きがしたいのです。モンテッソーリ教育では「運動の敏感期」と呼んでいますが、運動機能だけでなく、脳や神経の発達にも深く関わっています。
子どもはまだ、投げていい物といけない物の区別ができていません。
スプーンを投げたときは「これはスプーンだから投げません」
ボールを手渡して「これはボールだから投げてもいいよ」など、
まだ言葉を話す前の1歳から、投げてもいい物と、いけない物の区別をくり返し伝えていくことは大切です。
その上で、やわらかいボールやお手玉、風船など、家の中で投げても安全で、大人もストレスがたまらない物を用意して「物を投げたい!」という欲求を満足させてあげましょう。
箱やかごを用意して、そこに投げ入れるようにすると、大人も楽しめるゲームになります。
子育ての悩み
子どもがスプーンやおもちゃを手当たり次第に床に落としたり、放り投げたりすることがあります。大人は「いたずらばかりで困る」と思うかもしれませんが、これはいたずらではなく、子どもの手や指の発達を助け、動きを獲得するために必要なことなのです。
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